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くっくま孤児院 お土産プロジェクト ~ピサイ物語~

くっくま孤児院運営

くっくま孤児院のピサイは、大きな口に、大きなつぶらな瞳の笑顔がかわいい男の子。

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独特なゆったりとしたしゃべり方は、みんなに真似されます。

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そんなピサイも、17歳になりました。

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昔の夢は、コックさん。

今の夢も、コックさん。

でも、昨年は、「サッカー選手になりたい!」と言い出したピサイ。

サッカー選手???

ピサイの踊りのセンスも運動能力も、どう見ても、どう頑張っても、みんなよりずば抜けていない。

サッカー選手になるための厳しい話をしたけれども、本人は、どうしてもサッカー選手になりたいから、サッカースクールに通いたいと言う。

いやいや。

カンボジアが、サッカーブームだからって、サッカー選手になりたいっていうのはねぇと思いつつ、お母さんは、ピサイの「やっぱりやめる。」という姿が見える気がすると言いたいのを、グッとこらえて、ピサイが自分でしっかりと伝えてきた思いを実現させてあげようと思いました。

そこで、手先の器用なピサイは、名前入りのミサンガを作って、それを売って、お金にして、サッカースクールに行けばいいんだよ!ということになり、100本以上のミサンガを作ってきました。

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たくさん注文して下さったみなさん、本当にありがとうございます。

もちろん、おかげさまで、現地のプロチームに所属する日本人コーチのサッカースクールにも通い、試合にも参加し、くっくま孤児院でも練習をし、頑張った1年間。

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そして、今年。

「お母さん、1年間自分なりに頑張ったけど、ぼくはサッカー選手にはなれないと思う。違うと思う。」と。

そんなことないよ!頑張ったら何でも出来るよ!!!と言ってしまいそうな自分を抑え、冷静に「ピサイは、どうしたいの?」と訊ねると、「サッカースクールを辞めたい。料理人になりたい。」と。

だから言ったでしょう!!!と声を大にしていいたい言葉を口をひくひくさせながらこらえて、「そうか。そうか。」と。

その時、ちょうどお土産プロジェクトの鹿志村さんが、「ピサイのお菓子作りの姿勢はいいね。規模が大きくなったら工場長にしたいよ。手伝ってくれないかな~。」と試作の段階から手伝っていたピサイについて、つぶやいていました。

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ナイスです!!!鹿志村さん!!!

自分で将来の道を再度決め、一歩前に進みたいと思っていたピサイにとって、素敵な話が転がり込んできた。

しばらく元気のなかったピサイも、この話に大喜び!!!

鹿志村さんの工房でお菓子を作るときにはピサイも参加し、お土産プロジェクトを手伝っています。

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くっくまの子どもたちは、本当に幸せです。

もしも君が本気ならと手を差し伸べてくれる人たちがいる。

そして、そのチャンスに気づき、頑張るか頑張れないかは本人の本気次第。

この段階になったら、私はひたすら見守るのみ。

さぁ。ピサイ!!!

少しずつ自分の夢に向かって歩き出す時が来た。

頑張れ!!!頑張るんだ!!!ピサイ!!!

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そして、先日のこと。

ピサイ「お母さん、朝からおなかが痛くて、トイレに4回も行ってる。」

私「大丈夫よ!トイレで全部出しちゃえば治るから!!!大丈夫!大丈夫!」

ピサイ「でも、でも。」

私「でもじゃなーい!!!今日は、アルバイトの日なんだから、行きなさい!!!責任持ちなさい!行かなかったら次のチャンスないんだから~!!!」と、ついつい言ってしまった。笑

結果、ピサイは工房へ行って、すぐ帰ってきましたが・・・。

ピサイは17歳だけど、まだ中学2年生。

高校卒業まであと4年。

長いな。笑

くっくま孤児院運営

「愛にあふれる毎日が、ここにある。」
様々な理由で親や兄弟と一緒に暮らせない、4歳から20歳までの25名の子ども達が一つ屋根の下、暮している孤児院です。

色んな過去があったかもしれない。でもそれを感じさせないキラキラの笑顔は、過去ではなく「今」をめいっぱい楽しんで生きる。そんな明るいエネルギーを感じることができます。プロ顔負けの伝統舞踊や音楽を真剣に頑張っている子どもたちです。孤児院を訪問して子どもたちと会うことも出来ます。子どもたちの生活や教育サポートをお願いしています。

くっくま孤児院運営
この記事を書いたひと
楠 美和
楠 美和

副代表・カンボジア事務局長・くっくま孤児院のお母さん 東京都出身、プノンペン在住 短大卒業後、幼稚園の先生・保育園・ベビーシッターなど、子どもに関する仕事を9年続ける。 20代の頃の大好きな物は、ブランド品とデパートと美容院と化粧品。目に見えるもので幸せを判断していたが、代表 森絵美子とうっかり出逢ってしまい、カンボジアストーリーが始まり、人生が180度変わりはじめる。 アンコールワット遺跡近くの村で3ヶ月間、日本語をカンボジアの若者や子どもたちに教え、一人で海外に住む経験をしたことによって、「私ったら、案外何にでも適応できるのね。やればできるわ。」と、どんどんカンボジアの虜に。 そして、プノンペン事務所に転がり込み、スタッフとなり現在に至る。2016年現在、在カンボジア10年目。 カンボジア人はブランド品の価値を知らず撃沈。以来、スッピン・Tシャツ・ビーサンの日々。クメール語を巧みに操り、子どもたちへの説教もお手の物。 自分らしく生きることの楽しさ、目に見えない心の豊かさを教わる。こんな人生の予定ではなかったと笑う。でも、そんな今の自分が大好き。 人生の中で、「お母さん!」って呼ばれたいと願っていたら、くっくま孤児院の子どもたちに、うるさいくらいに呼ばれる毎日を過ごしている。絶賛大奮闘中で、毎日が幸せ。

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